コベストロ、販売数量増加と変革の推進
2024年度:厳しい環境が継続
- グループ売上高は142億ユーロ(1.4%減)
- EBITDAは11億ユーロ(0.8%減)
- フリー・オペレーティング・キャッシュフロー(FOCF)は8,900万ユーロ(61.6%減)
- ADNOCの買付提案に対する高い受諾率
- 2028年までに年間4億ユーロのコスト削減
- 2025年の見通し、EBITDAは10億~16億ユーロを見込む
市場環境が引き続き厳しい中、コベストロは2024年度に徹底して変革を推進してきました。当社は、工場の稼働率を向上させるための対策により、全世界で販売数量を増加させることができました。売上高は主に販売価格の低下により、前年同期の144億ユーロから1.4%減少して142億ユーロとなりました。EBITDAは前年同期の11億ユーロから0.8%減少して11億ユーロと、予想範囲内で安定的に推移しました。純損益は-2億6,600万ユーロ(前年同期:-1億9,800万ユーロ)となり、FOCFは8,900万ユーロ(前年同期:2億3,200万ユーロ)に達しました。使用資本利益率(ROCE)と加重平均資本コスト(WACC)の差(ROCE -WACC)は -7.4ポイント(前年同期:-6.1ポイント)となりました。温室効果ガス排出量(CO₂換算)は470万トンで前年度の490万トンから減少しました。これは主にレバークーゼン、ドルマーゲン、ユルディンゲン、ブルンスビュッテル(ドイツ)およびテキサス州ベイタウン(米国)の生産拠点における排出係数の低下によるものです。
コベストロCEOのマーカス・スタイレマンは「化学産業全体が再び直面した課題にもかかわらず、2024年も当社は戦略を堅持し、変革を全速力で推進しました。特に工場の稼働率の改善により、販売数量を大幅に増加させることができました。競争力と持続可能な未来の技術への的を絞った投資により、当社は長期的な成長の基盤を作りながら、この道を確実に進んでいきます」と述べています。
生産、サーキュラーエコノミー、効率性への投資
コベストロの変革の重要な要素は、生産能力の強化です。2024年には、ベイタウン(米国)、上海(中国)、タラゴナ(スペイン)などで既存の計画を最適化しました。また、ドルマーゲン(ドイツ)のTDIプラントでもエネルギー効率向上と生産競争力強化のための追加投資を実施しました。さらに最近、コベストロはオハイオ州ヘブロン(米国)の拠点を拡張し、数億ユーロ規模の投資をすると発表しました。これにより、当社はソリューションズ & スペシャルティーズセグメントにおける差別化されたポリカーボネートの生産能力増強を目指しています。建設開始は2025年で、操業開始は2026年度末を予定しています。
これらと並行して、コベストロは計画的にサーキュラーエコノミーへの移行を推進しています。2024年には、bpとの長期電力購入契約(PPA)により、スペインの太陽光発電所からの再生可能エネルギーへのアクセスを確保しました。これにより、スペインにおけるコベストロの電力消費に占める再生可能エネルギーの割合が10%から30%に増加し、年間約1万6,000トンのCO₂排出量を削減できます。さらに、コベストロは研究開発のためのイノベーションセンターに全世界で1億ユーロを投資します。これらの的を絞った成長イニシアチブに加えて、コベストロは社内プロセスを体系的に最適化することにも取り組んでいます。「STRONG」変革プログラムの一環として、コベストロはデジタル化と構造改革より、2028年までに世界で年間4億ユーロのコスト削減を目指しています。
コベストロCFOのクリスチャン・バイヤーは「外部の市場環境に影響を与えることはできませんが、それにどう対応するかは私たちがコントロールできます。そのため、2024年はプロセスの効率化とレジリエンスの強化に取り組みました。デジタル化と人工知能がその中で重要な役割を果たしています。2025年も引き続き構造の最適化を進め、コベストロの将来への適応力を高めていきます」と述べています。
2024年度の純損益がマイナスとなることから、コベストロの配当方針に従い、前年度と同様に配当はしないことになりました。
ADNOCグループによる買付提案が成功
具体的な交渉を経て、コベストロは2024年10月1日にXRG P.J.S.C.(旧ADNOC International Limited、買付者および他のADNOCグループ会社を含む「XRG」)の完全子会社であるADNOC International Germany Holding AG(「買付者」)と投資契約を締結しました。2024年10月25日、公開買付者はコベストロ AGの全株主に対し、コベストロ1株当たり62ユーロでの任意公開買付提案(「公開買付提案」)を行いました。2024年12月16日の追加受入期間終了後、XRGは12月19日に、コベストロの株式合計154,541,806株について買付けが成立したことを発表しました。XRGが既に取得していた株式と合わせると、これは上記報告日時点でコベストロの既存の株式資本の91.3%に相当します。その後の追加取得により、2024年末時点でのXRGのコベストロ株式資本に対する出資比率は91.58%となりました。
XRGはコベストロをパフォーマンス・マテリアルズおよび特殊化学品事業の基盤プラットフォームと位置付けており、完全な循環型経済を目指すというコベストロの戦略的ビジョンを共有しています。コベストロの買収は、XRGが世界トップ5の化学企業になるという戦略における重要なマイルストーンとなっています。
この公開買付けは、合併規制、外国投資規制、EU外国補助金に関する通例のクロージング条件を満たす必要があります。クロージングは2025年後半になると見込まれています。
2025年度の見通し、EBITDA は10~16億ユーロを予想
コベストロは、2025年も経済環境は引き続き厳しいと予想しています。このような状況下、当期のEBITDAは10~16億ユーロを見込んでいます。FOCFは0~3億ユーロ、使用資本利益率(ROCE)と加重平均資本コスト(WACC)の差(ROCE -WACC)は-6~-2ポイントを見込んでいます。当グループは、コベストロの環境関連拠点におけるスコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量(CO2換算)は420~480万トンと予想しています。2025年第1四半期のEBITDAは5,000万~1億5,000万ユーロを見込んでいます。
パフォーマンスマテリアルズは売上増加、ソリューションズ & スペシャリティーズは価格下落の影響を受ける
パフォーマンスマテリアルズセグメントの売上高は、70億ユーロ(前年同期:69億ユーロ)に増加しました。販売数量が12%増加し売上を押し上げましたが、供給過剰による市場の低迷が販売価格と利益率に影響を与えました。EBITDAは1.2%減の5億6,900万ユーロ(前年同期:5億7,600万ユーロ)、FOCFは7,800万ユーロ(前年同期:1億6,200万ユーロ)に減少しました。
ソリューションズ & スペシャリティーズセグメントの売上高は、原材料価格の下落に伴う平均販売価格の値下げにより、3.6%減少して70億ユーロ(前年同期:73億ユーロ)となりました。EBITDAは9.4%減少して7億4,000万ユーロ(前年同期:8億1,700万ユーロ)となりました。利益率の低下に加えて、前年とは異なり、アディティブ・マニュファクチャリング事業の売却による一時的なプラス効果(2023年)がなかったことが要因であります。そのほか、STRONG変革プログラムの実行に伴う費用が収益を減少させました。当セグメントのFOCFは24.3%減少して4億1,700万ユーロ(前年同期:5億5,100万ユーロ)となりました。
2024年第4四半期はプラスのEBITDAとキャッシュフロー
コベストロの2024年第4四半期の売上高は、前年同期比0.9%増の約34億ユーロ(前年:33億ユーロ)、EBITDAは前年同期比44.7%増の1億9,100万ユーロ(前年:1億3,200万ユーロ)となりました。FOCFは2億5,300万ユーロとなり、前年同期の7,300万ユーロと比べて246.6%増加しました。
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コベストロ社について
コベストロ社は、世界最大級の高機能性ポリマー材料の製造企業です。革新的な製品、プロセス、技術により、多くの分野でサステナビリティとQOL向上に貢献しています。当社はモビリティ、建築、生活、電気・電子分野などの主要産業において、世界中の顧客に製品を供給しています。また、当社の生産するポリマーは、スポーツ・レジャー、化粧品、通信、ヘルスケアなどの分野や、化学産業でも使用されています。
当社は「We will be fully circular」をビジョンに掲げ、2035年までの温室効果ガス排出実質ゼロ達成(スコープ1,2)を目指しています。また、2050年までにスコープ3の排出量において気候中立を実現する企業になることを計画しています。2024年度の売上高は約142億ユーロです。2024年末時点で、世界各地に46の生産拠点があり、約17,500人(フルタイム換算)の従業員が在籍しています。
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、コベストロ社による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性があります。さまざまな既知または未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予想との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因にはコベストロのウェブサイト(www.covestro.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。コベストロは、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではありません。